『くまもとあぐりん』編集長
坂田圭介 |
「このキュウリ、瑞々しいこと。どこで出来たキュウリかしら」
「農薬って、どんなふうに使われてるのかなあ。ちょっと心配」
「ねえパパ、新聞に書いてある遺伝子組み換え食品って何?」
平成15年4月、JAグループ熊本と熊本日日新聞社は共同企画『くまもとあぐりん』
をスタートさせました。毎月第4水曜日の熊日朝刊と、HP『くまもとあぐりんネッ
ト』(熊日のHP『くまにち.コム」』内)=毎週水曜日に更新予定=で1年間展開して
いきます。
『くまもとあぐりん』では、食の安全と地産地消をテーマに、「生活者(消費者)
と生産者(農家)を結ぶ」ことで理解を深め合い、お互いの信頼関係を構築していき
たいと思っています。タマネギやナスやキャベツや牛肉など、私たちの毎日の食卓にのぼる食べ物の数々が、どのように栽培され、どのように育てられているかを知るこ
とで、命につながる食の大切さを一層自覚し、食べ残しや食べ物を粗末にすることも少なくなるはずです。また、生活者側の理解が深まれば、生産者も安全で安心な作物作りに、さらに力が入ることでしょう。
熊日朝刊の紙面では、生活者を代表した読者リポーターが、県内各地の生産現場を訪ね、「生活者の視点」から農産物がどのように作られているのかをリポートしていきます。もちろん、そこでは気になる農薬や化学肥料の問題も質問として出てくるでしょう。その現実と生産者の思いをストレートに伝えることで、いろんな考えを語りあえる、顔の見える関係が生まれるものと思います。熊本は全国でも有数の農産物生産県。だからこそ、知っていたいじゃないですか、熊本でとれるお米や野菜やお肉のこと。
さらに、この『くまもとあぐりんネット』では、県内各地の12人の生産者に「特派員」をお願いしました。1年間にわたり、それぞれが手掛ける農産物の生産過程や、時には歳時記風の楽しいお便りも送ってもいただきます。居ながらにして、畑やビニールハウスの中にいるような、バーチャル農業体験も楽しめることでしょう。ご質問があれば、どんどんメールを送ってください。そして、機会があれば、特派員が丹精込めて作った作物を食べてみてください。そこから何かが変わり、何かが始まると信じています。
農業を取り巻く問題は、安全性に関することだけではありません。「江津湖や八景水谷の水が減った」「雨が降るとすぐに白川の水が増えるようになった」「めっきりホタルの姿を見なくなった」「村の祭りの担い手がいなくなった」などなど。これらの問題に、農地の減少をはじめ、さまざまな農業情勢の変化が起因していることも間違いないでしょう。同じ地域に住む者として、自らの生活に直接かかわる問題として、考えていかなくてはいけないと思っています。
おいしいものを、安心して食べたいですよね。でも、そのためには、まず自分たちの生活や考え方を見直し、食にかかわる正しい知識を持つことから始めなくてはいけないのではないでしょうか。知らないことから生まれる不安、見えないことから発生する疑念。こんなものは早いとこ、取り払いたいものです。
紙面で、インターネットで『くまもとあぐりん』を楽しんでいただくことで、農業や自然、環境、ひいては私たちの地球をめぐる会話が、熊本の食卓で活発に交わされことを期待しています。 |