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先祖代々のミカン園守り 地域の担い手として活躍

かんきつ農家 坂本郷司(ごうし)さん(32歳・玉名市天水町)

 

ミカン栽培が盛んな玉名市天水町。眼下に干拓地と有明海を見わたす高台の斜面には、 収穫期を迎えた鮮やかなオレンジ色の温州ミカンが実っています。
12月下旬まで続く収穫・出荷に忙しい坂本さんの園地を訪ねました。

かんきつ農家の6代目 結婚を機にUターン就農

 日当たりの良い園地で、坂本さんが収穫しているのは、早生(わせ)品種の温州ミカンです。9月下旬に超極早生品種の収穫が始まり、10月上旬には極早生、11月からは早生へ…。品種によって収穫時期をずらすリレー方式により、12月下旬に適期を迎える晩生(おくて)品種の収穫まで、ほとんど休む暇がないそうです。

 

 案内してもらった園地で、手際よく次々とミカンを収穫していく坂本さん。ピーク時には、一日に2トンを収穫することもあるといいます。かんきつの栽培が盛んな天水町を中心に、JAたまな天水・中央柑橘部会の会員数は536人。平成27年度のかんきつ全般の出荷量は1万4000トンを見込んでいます。

 

 坂本さんは、父親の淳一さん(62)、母親の日登美さん(57)と3人で、温州ミカンや河内晩柑、デコポンを栽培。点在する園地は明治時代に先祖が開墾したそうで、曾祖父がその後開墾した園地なども含めて現在、約5㌶を管理しています。6代目となる坂本さんは、かんきつ農家の長男に生まれたものの、「就農は漠然としか考えていませんでした」と話します。

 

 高校卒業後は、農産物の流通や、消費者のニーズなどを学ぶため、大阪東部市場に就職しました。ここで大阪府出身の博美さん(30)と出会い、6年前、結婚を機にUターンして就農。美優ちゃん(6)、虎央くん(4)という2人の子どもにも恵まれました。

 

ミカン作りの厳しさ痛感 勉強を続ける毎日

 ミカンはずっと身近な存在でしたが、帰郷当時はかんきつ栽培に関する知識は全くなかったといいます。淳一さんの指導を受け、地域の若手農家の集まりや研修会にも参加し、作業をしながら勉強する毎日を続けてきました。「栽培を始めて6年たちましたが、なかなか自分が思っているようなミカンには育ってくれず、厳しさを痛感しています。おいしく育った時の喜びはありますが、まだまだ勉強が足りない」

 

 その中で、出来を左右する重要な作業だと考えているのは、収穫を終えた後、年明けから5月ごろまで続ける剪定(せんてい)作業です。ひと枝ずつ、ミカンが実っている姿をイメージし、樹勢を落とさないよう気を配りながら、慎重に枝を落とす作業はとても難しいそうです。

 

 ポイントとなるもう一つの作業が摘果(てきか)です。1本の木に多く実らせると味が落ちるため、タイミングを見極めながら、残す実を決めていきます。また、水分量の調節も大切です。水分を制限して木にストレスをかけると、糖度が高く酸味が少ないおいしいミカンになるとのこと。「超極早生から晩生まで、品種によって作業の適期が異なるので管理は大変。しかし、質の良いミカンに仕上げるためには、それぞれの適期を逃さないことが重要なんです」と坂本さんは強調します。

 

消防団や保育園の役員… 地域の活動にも参加

 忙しい作業の合間を縫って、夫婦でゴルフを楽しむこともあるという坂本さん。小中高とバスケットボール部に所属し、現在も高校時代の友人たちと結成しているバスケットボールチームの練習に参加することも。「農作業とは違う汗をかくことができ、異なる職種の人とも出会えます。とてもいい気分転換になるんですよ」と笑顔を見せます。

 

 また、帰郷後すぐに、地元の消防団にも入団。地域には若手が少ないこともあり、出初め式などでは重要な役割を任されています。収穫作業で忙しい時も、火事の知らせがあれば、法被(はっぴ)を着て、消火作業に向かいます。加えて、2人の子どもが通う保育園の役員も。農業だけでなく、地域の担い手として、さまざまな活動にも積極的に参加しています。

 

 今後の目標は、より高品質なミカン作り。「規模を拡大するより、品質を高めることを追究していきたいと思っています」と言います。周囲には耕作放棄地も増えているそうですが、代々続いてきた園地を自分も守っていきたいと、力強く語ってくれました。

 

 


天水町のかんきつ農家は後継者が少ないため、「30代になっても、まだまだ若手です」と坂本さん


20人ほどが所属する地元消防団でも、地域の若手として期待されている坂本さん


選果場では光センサーで糖度と酸味が測定され、合格したミカンだけが出荷されています


「枝から垂れ下がるようにして実ったミカンは糖度が高く、おいしくなります」と坂本さん

 

 

 

〔JAたまな〕年末大売出しを開催!!

農産物直売所 i ‐きらめき 六田店/築山店

 

 12月27日(日)~30日(水)は、直売所2店舗で年末大売出しを開催。生産者が手作りしたしめ縄や鏡餅などの正月用品、玉名産の新鮮な野菜や加工品が普段より数多く店頭に並びます。

 

 

◆農産物直売所 i ‐きらめき 六田店

【住】玉名市六田5

【電】0968(72)5796

【営】9:30~18:00(土・日曜、祝日~17:00)

【休】1月1日~4日

 

◆農産物直売所 i ‐きらめき 築山店

【住】玉名市山田2137‐1

【電】0968(72)1533

【営】9:30~18:30(土・日曜、祝日~17:00)

【休】12月31日~1月4日

 

 


 

温州ミカンの保存法

【温度と湿度を保って】

 

 極早生、早生品種は常温で保存し、新鮮なうちに食べるのがお薦めです。

 

 これから出荷される晩生品種は、皮が厚くなるため日持ちし、貯蔵できる品種です。風通しの良いザルなどに、なるべく重ねずに並べます。温度が低くなり過ぎないよう、屋内に置き、玄関など日の当たらない場所が保存に適しています。さらに新聞紙などをかぶせて湿度を保つと劣化しにくくなります。もし腐った部分を見つけたら、周囲にうつる前に早めに取り出しましょう。

 

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